ボロ物件投資ってどう?築古物件投資について考えるブログ

ボロ物件投資は価格が安く初心者が始め安い反面、リスクも大きく失敗しやすい不動産投資です。そんなボロ物件投資について色々発信していくブログです。

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築古アパート経営ってどんな感じ?上手くいった人の体験談

築古アパート経営ってなんだか難しい。

どういった物件を選べば上手く経営できるか、どう考えて経営すればいいか良くわからなかったりしますよね。

 

今回は、築古アパート経営を行っているかたにレポートをいただけましたのでご紹介いたします。

 

築古アパート経営の体験談

5年ほど前から築古アパートの経営をしております。アパート賃貸経営の経験から、感じたことを書いてみたいと思います。
物件は木造アパートで築年数は30年です。

物件について

東京の城南地域にアパートを1件所有しています。街中の商店が立ち並ぶ通りに面して建っており、1階が店舗用2室、2階以上はファミリータイプの部屋が複数あります。


アパートを買ったきっかけは、知人の不動産業者からの紹介でした。前のオーナーさんが自宅を買う資金が欲しいとのことで、アパートの管理を任せていた不動産業者に売却を依頼し、アパートの近隣に土地勘のあった私に購入を持ち掛けた、という流れです。

 

良いところ:建物の状態と立地


外見は古さを感じますが、躯体に関しては今のところ大きな不具合は起きておらず、手のかからない「孝行息子」です。

鉄道の駅にも歩いてすぐの立地で、買い物などの便利もよいため、ファミリータイプの部屋に関しては空室が出てもすぐに次の店子さんが入ってくれます。「次の借り手が付かずに焦る」という経験は、このアパートに関してはあまりないので、それも助かっています。

 

良いところ:金融機関に対する与信力アップ



既に築古の物件でしたが、物件の立地が良いとのことで金融機関の受けもよく、金利も返済期間も優遇してくれました。

通常なら築年数や木造であることから考えて、返済期間は5年未満だったり、そもそも貸してくれなかったりの条件になりそうですが、融資の相談をした金融機関は一応に好意的な反応で、最終的に地元の地銀と信用金庫、2つの支店のコンペになり、条件の良いほうで融資を受けることができました。


ちなみに双方とも融資期間は20年超で提案してくれました。

金融機関からすれば建物はほぼ無価値でも、立地を含めて土地に魅力があったようです。

その後、投資用の不動産物件は購入していないのですが、自分の居住用の不動産を買い替えるため何度かこの融資元の金融機関に相談に行きました。その時も、このアパートを持っているおかげで融資を引き出せそうな案件がいくつかありました。

最終的に、昨年に居住用の不動産を買ったのですが、その際の住宅ローンも私個人の給与年収だけでは、借り入れが難しい額で、年収8倍程度の融資を受けています。

それでも、アパートや他の不動産の共担を入れることや家族の連帯保証人は求められず、融資元の担当者から「住宅ローンを繰り上げて返済しなくてもよいから、もう一件(投資物件を)お買いになりませんか?」と言われました。

融資元からすれば、給与以外にこのアパートから収入を得られていることと、もし万が一住宅ローンが返せない事態が起こってもアパートの土地を売却すれば返済できる、という安心感があったのだろうと思われます。

 

悩ましいところ:黒字経営をどうするか

 


築古木造物件の経営は、不動産賃貸業の経費の大きな割合を占める「減価償却費」が4年の償却期間で終わってしまう、という悩ましい問題があります。

償却期間中は建物・設備部分の償却が毎年大きな額になるので赤字の決算となって、税金の還付も可能です。しかし期間が終わると償却額が0となり、何も対策をしなければそのまま黒字として跳ね返ってきます。黒字と言えば聞こえは良いですが、素直に喜べるものではありません。当然、税額も跳ね上がります。

利回りが高くキャッシュフローが潤沢にある物件なら良いのですが、このアパートは利回りも6~7%程度で、2部屋同時に空室が出ると持ち出し(「賃料収入」―「ローン返済」がマイナス)が発生するキャッシュフローのレベルなので、できれば税金は低く抑えたいです。

 

対策としては、大きな修繕を毎年段階的におこなって経費を計上することや、小規模企業共済を活用する(掛け金が控除対象になる)ことなどを念頭に置いています。

大まかでも毎年の予算案をつくっています。

今年はそれに加えて、不動産賃貸業の他に個人事業の開業をしようと思っています。会社員の仕事以外の副業を想定しているのですが、これの狙いは「青色申告65万円控除」を受けることにあります。

 

現在の不動産賃貸業の収入ベースの規模は、会社員としての収入を超えていて、そこそこの大きさにはなっていると思うのですが、アパートを含めてすべての賃貸物件を合わせた部屋数が5で、国税庁の見解である「事業規模:8室以上」の要件を満たしていません。そのため青色申告をしても10万円の控除にとどまっています。

 

これが不動産賃貸ではない個人事業になると、所得の有無にかかわらず、開業実態があれば65万円の控除が認められます。また会社員給与と不動産所得も含めた全ての所得からの控除も可能なので、開業当初の副業の仕事が見つからない、受けられない事業が赤字の状況でも、開業の節税効果があると言えます。

 

ただ、単に「節税」のための開業ではなく、個人事業も将来的には収入が得られるように進めていきたいと思っています。昨今は会社員としての雇用も安定的ではなく、給与も上がって行きません。また、定年の年齢を超えても年金もなく、仕事をしなくてはならないような状況になるのなら、今のうちから個人として会社以外の収入源を確保しておきたいからです。

 

まとめ


不動産投資を始めたころのワンルーム投資などと比べると、収入の規模は大きいですが税金やキャッシュフローに対して神経を使うことが多くて面倒なのと、今後修繕をする案件がなくなる(かりに案件があっても、修繕ばかりしているとキャッシュがなくなります)、アパートローン金利が上昇する、それにつられて物件価格が下がり売却などの出口戦略も見えにくくなる(厳しくなる)などの不安は付きまといます。

「なんでこんな面倒なことをやっているのだろう?」と考えることもしばしばあります。

 

ただ、良いことを挙げれば「仮に老後のことや生活に厳しい状況になっても、物件を売ってしまえばまとまったお金にはなる」という安心感もあります。

加えて金融機関からの与信も得られ、何かあっても融資を受けやすいことや、会社員の収入より不動産の収入のほうが大きいので、会社の給与の上がり下がりや「勤め人としての理不尽なこと」に直面しても、「所詮、(収入の大小でいえば)会社員は副業なのだから」と気持ちを切り替えられるように、心の安定という意味では多大な貢献があったと思います。

アパートローンの融資固定期間を10年ではなく、5年にしておけばよかったかな、等といくつかの悔やむ点はありますが、アパート経営をしたこと自体に後悔はなく、やってよかったと思うのが現在の率直な感想です。