ボロ物件投資で高利回りは実現不可能?築古物件投資の初心者が、詐欺みたいな物件を掴まされないために最低限知っておいてほしい基礎知識
築古投資の難しいところは、実際の利回りが超高くても、そのほとんどが実現不可能なところです。
じゃあ全てが詐欺なのか、というとそういうことでもなくて、正しく利回りを算出するためのポイントを抑えていれば、実現は可能です。
ポイントとしては、
- 正確な利回りを計算できるようにする
- リスクを把握し排除する
ことにあります。
この二つができれば、狙った利回りを実現できる可能性がグッと上がります。
特に初心者の方は高利回り物件に飛びついてしまいがちなので、本当にその利回りが実現できるのか、検証するための基礎知識になるのでぜひ押さえておいてほしいです。
それぞれ見ていきましょう。
ボロ物件投資において、正確な利回りを把握する方法
表面利回りは意味がない
そもそも表面利回りは、一年を通して満室であることを想定、かつ修繕費用等の経費を加味していない利回りです。
- 費用が考慮されていない
- 空室率を加味していない
など、実態に全く即していないのです。
そして私たちが普段目にする物件資料に出てくる利回りは、全て表面利回りです。
純利回りが、本来の物件の収益力を表している
まず、表面利回りと純利回りの違いを整理しましょう
- 表面利回り = 年間賃料収入 ÷ 物件購入価格
- 純利回り = (年間賃料収入 - 年間経費) ÷ 物件購入から運用までに掛かった費用
です。
ここでなぜ物件購入から運用までに掛かった費用、という回りくどい言い方をしたかというと、表面利回りで出てくる物件購入価格、というのは、一つ前の項目でも言及したように、物件の価格のみを指し、購入するときに掛かる必要経費が含まれていないからです。
例えば年間収入が50万円に対して、物件価格が300万円、運用までに掛かった費用が100万円だったとします。
- 物件購入価格のみだと50万円÷300万円=約16.6%
- 費用全て含めた購入価格だと50万円÷400万円=12.5%
と、これだけで、4%も変わります。
そして、年間賃料収入も経費を含めたら減るので、更に利回りが下がるのが容易にわかるかと思います。
では、ざっくりとですが実際にどのような経費が掛かるのでしょうか。
物件購入から運営までに掛かる費用
ざっくりとですが、年間想定賃料収入に対し、
- 空室率分の想定損失
- 運営管理費用(管理委託費用・保険・広告費・修繕など)
- 税金
を引いていきます。
特に空室率については自分の都合のいいように甘め設定になりがちなので気をつけましょう。
ただ、購入前に純利回りがどれくらになるのかを正確に把握することは実は不可能です。
なぜでしょうか。
それは、実際に空室率がどれくらいになるのか、修繕はどれくらいになるのか、と実際に運営してみないとわからないからです。
ですので、周辺物件の空室率が大体どれくらいか、修繕が大体どれくらいの周期で必要か等、ここら辺は専門業者の方によくヒアリングして把握しておくのが良いでしょう。
こうやってみると、想定利回りがいかに都合よく計算されているかがわかりますね。
細かい計算方法は別記事に譲りますが、純利回りが計算できないと、業者のカモにされてしまいます。
完全に計算できなくも、概算で純利回りが計算できるようにはなりたいですね。
ボロ物件特有のリスクを排除して利回りを確保する
建物に欠陥がないか
まず、建物がきちんと稼働するものか、修繕可能なものか確認しましょう。
シロアリ、雨漏り、建物が傾いている、などこういったものが確認できる物件はハイリスクです。
絶対に手を出してはいけませんとまではいいませんが、よく理解して買わないと、痛い目にあいます。
仮に直せても、とんでもない費用が掛かってしまってどうしようもない、ということもあります。
そもそもの賃料設定が間違っていないか
どんなに精密な利回り計算をしても、収益の元となる賃料が相場からかけ離れているものだったら意味がありません。
現実的な賃料、部屋を埋められる根拠を固めて物件選定をしましょう。
賃貸がついていないボロ物件の場合、でたらめな想定賃料で利回りを引き上げている可能性あります。
これは本当によくあることで、実際は賃貸がつかないような賃料をつけてしまってます。
賃貸需要がある場所であるか
特に地方物件で起こりえることですが、そもそも住んでいる人がいない地域の物件を買ってしまい、全く賃貸がつかずに終了してしまった、ということが起こります。
そういった地域では、どんなに広告を頑張って賃料を下げても人がいないので挽回も不可能です。
どんなに想定利回りが高くても、そもそも借りる人がいなければ利回り0%です。
本当に気をつけましょうね。
ボロ物件投資できちんと利回りを確保するためのまとめ
- 表面利回りはあてにならないので、自分で引き直す
- 高利回りの理由となるリスクを把握して、それが対処できるものかの見極め
この二つを意識して物件を見れるといいでしょう。
ボロ物件投資では、物件の潜在能力を見抜いて安く買えれば、50%を超えるようなとんでもない利回りを実現することが可能な一方、一歩間違えれば、赤字を垂れ流す欠陥物件を掴まされることも普通に起こり、慎重な検討が必要な投資です。
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